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家庭医療合宿2009の報告2(1日目後半)

目次 (家庭医療合宿2009の報告)

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【土曜日】
③特別セッション「家族関係を考慮した慢性疾患へのアプローチ」
 大門先生(西浅井町国保診療所)

お次は、滋賀県の湖北地方にある西浅井町から
大門先生においでいただきました。

先生は自治医大出身で、地元滋賀の一人診療所で医療をされてきました。
患者さんだけでなくご家族にもスポットをあてる家庭医療の現場の事例を中心に、
今回お話をいただきました。

大門先生のオープニング
まず町や診療所の紹介から始める大門先生

2つの事例紹介で、「あなたなら次にどんな手を打ちますか?」という問いかけで
学年ごとの小グループに分かれて、自分たちで出し合う時間もいただきました。

患者さんの生活や家族に視点を向ける低学年のグループ、
生活に加えて医療知識も踏まえていく高学年のグループと、
いろんな切り口から、いろんなポイントの意見が聞けました。

「それは思いつかなかったなぁ」とか
「そういうことも考えられるようにならないといけないのか」とか
思えて、とても参考になり楽しかったです。

大門先生

また、患者さん本人への医療や介入だけでなく、
ご家族にも目を向けたからこそ力を発揮する家庭医療の醍醐味も
垣間見えたような気がしています。
アンケートを読んで、そうだなぁと思ったのは、
患者さんを主人公にした小説を読み解くような
そんなやりがいがある医療スタイルだなぁと家庭医療を感じました。

個人的には、一人診療所に赴任された後、
看護師さんやスタッフの皆さんに教えられ叱咤されながら成長した、
というお話も印象的でした。
経験豊富な看護師さんやスタッフの皆さんとともに進んでいく
大切さを感じました。

大門先生のオープニング遠景

以下、アンケートの記述です。

・患者さんの生活における家族との関係の重要性を認識できました。漠然とは意識していましたが、予想以上でした。

・症例の読み方は、小説と一緒だと確信できた。読め、しゅうとめは予測できたし、症例2の娘の病気もおよそわかったが、うつ病、子供が自閉症は読めなかった。なんというか、ミステリーを解いている様で、最高にたのしかった。

・慢性疾患の方の抱える問題を他の方と考えられてよかったです。

・長浜方面に、こんなふうに一人の診療所で頑張ってらっしゃる先生がいるんだ!と知ることができよかったです。症例で考えるのが、すごく楽しかったしいろいろな意見が聞けてよかったです。

・家庭を考えるということは、一人一人の患者を診るのに重要なんだと思った。病気だけで患者を診るのはよくないということを改めて思った。

・症状だけでなく家庭環境まで踏み込んだ視点を持つことの重要性がよくわかった。

・いろんな人から患者の情報を得ることができる事を学んだ。

・慢性疾患の背景に家族関係の関わっていることがあることを知った。「家族」に注目しなければわからない事例であったので勉強になった。

 


○大休憩
休憩時間には、お菓子やコーヒー、ジュースを手に取りながら、一息。。。

休憩中


 

④特別セッション 佐野先生(パリ日本家庭医療センター開業医)
次に登場していただいたのは、
パリで在仏日本人に対して家庭医療を提供しておられた佐野先生です。
佐野先生には、ちょうどパリから日本に来られた折、
FPIG関西の企画のためにお忙しい中お時間をお取りいただけることになり、
急きょご講演をお願いしました。

佐野先生

先生の家庭医療との出会いから、
日本での研修医時代、ミシガンやパリでの家庭医の実践まで
ご経験をお話しいただきました。

また、家庭医と、プライマリケアの内科医との違いなどを例にとりながら、
家庭医の目指す「全人的」医療とは、
「全ての人」を診るとともに「人の全て」を診るということだと
力強くおっしゃっておられたのがとても印象的でした。

婦人科領域や妊婦健診を通してお産にも、と
幅広く携わる家庭医を目指す意欲的な姿勢を持つことで
やりがいを持って非常に楽しく家庭医療を実践できそうだと感じました。

佐野先生・遠景 

個人的には、日本に家庭医を根付かせるストラテジーが特に印象的でした。
妊婦検診に関わることを端緒として、お産、乳児健診と受け持っていき、
母親や家庭の信頼をつかみ家族全体を診ていくことにつなげていく。
なるほど秀逸な流れだなぁと感心させられました。
意欲的に頑張っていきたいと強く思いました。

以下、アンケートの記述です。

・面白い講演をありがとうございました。思わずニヤケました。どういう方向に進むにしても、精いっぱい楽しく生きようと思いました。
・家庭医が分かった。あとは実践するのみ。最高のプレゼンテーション。近く、京大でもお呼びし、プレゼンしていただきたいと思います。
・ズーム…のが、わかりやすく面白く印象に残りました。
・こんな世界があるんだ…!と思ってびっくりすることが多かったです。産婦人科を家庭医が見るというお話は、初めて聞くことで、考えさせられました。
・金太郎飴医者では競争できない。桃太郎になれ!
・家庭医というものの面白さを知ることができてとても興味が湧いた。桃太郎になるために、これから考えていこうと思った。
・家庭医療というものについてまだまだ理解が浅かったことを実感した。今後さらに理解を深めていこうと思う。
・家庭医というものが理解できた。
・最後の英語の映像が難しかったです。
・アメリカの家庭医療の定義。小児、産婦が重要。
・今の医療は、部分部分(臓器専門)で分けて分化し、その人を診断しているが、家庭医は部分などを見るのではなく、全人的にその人全体を見ていて、家庭医はその人自身を理解し、診断できる存在であると思いました



⑤特別セッション「地域で医者をすること、地域で看護師をすること、家庭医の視点から」
 太田先生(春日診療所・地域医療振興協会)

1日目最後は、FPIG関西のOBの太田先生でした。
太田先生には、お隣の岐阜県にある揖斐川町(旧春日村)から日帰りでご参加いただきました。
村の暮らしの中で行われる診療所の医療について、紹介していただきました。

太田先生

おばあちゃんの生きがいの土いじり、
村の祭りへの村の皆さんのこだわり、
遠く離れた家族同士をつなぐ故郷春日村のおばあちゃんの家の存在。

日々の村の暮らしや想いを汲み取りながら行う医療の風景について、
その村に流れている時の流れを再現してくれるような雰囲気で
数多く紹介していただきました。

太田先生のご講演風景

個人的には、太田先生の紹介していただいた
「医療を人間味ある(humanizing)ものにする」という言葉が印象的でした。
先生はそれを実現しようされているんだなぁということが
とてもよく伝わってきました。

家族にも配慮して行う家庭医療は、
地域のコミュニティや地域を支える医療以外の存在も
念頭に置きながら行うものなんだということが感じました。

以下、アンケートの記述です。

 

・ほんわかとした講演ありがとうございました。その村と先生のおだやかな空気が伝わりました。地域もいいなーと思いました。
・最もいい先生。ほのぼの。スライド一枚一枚が詩のよう。正直、派手さや、きらびやかさは無いが、もっとも重要な医師。今、効率化が叫ばれる中、とても大切な存在。ありがとうございました。めっちゃ好きです。
・おばあさんがたのお話し、とても考えさせられました。
・こんな先生がいるのか、いわゆるこんな町医者の先生のお話が聞けてとてもうれしかったです。佐野先生との違いにびっくり。
・家庭医の具体的な仕事ぶりが見られて、よかった。
・医療を行わなくても、話を聞くということがとても重要なことだとよくわかった。背景を知ることは重要。「継続的な癒しの関係」という考えは興味深い視点だった。
・地域を支えるものは医療だけではないことが分かった。
・地域密着の医療っていいなと思いました。
・待合室の雰囲気がいいなと思いました。先生は、看護学の本も読んだときいて、うれしくなりました。
・日常の診断、診療がよくわかった。
・その人の生きがいを重視することの大切さに気付きました。家族の意見と患者さんの意見を配慮して、今後の診療の方針を決めていくということがとても印象に残っています。家族、患者さんの意見を配慮するためにはその人の生活背景を知ることが大切ということに気付きました。


(文責:大竹 要生)




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